ういろうは、典型的には、米粉などの穀粉に砂糖を練り合わせ、蒸して作る。穀粉には米粉(うるち米、もち米、小麦粉、ワラビ粉などが用いられ、砂糖には白砂糖、黒砂糖などが用いられる。小豆あん、抹茶など、様々な物が加えられることも多い。室町時代の頃から存在する黒砂糖を用いた「黒糖ういろう」が本来の姿と考えられている。
ういろうの起源については、
の2説が通説となっている。
名古屋ういろうでは、うるち米からできる米粉を主原料として用いるのが一般的である。庶民的な店では黒砂糖を使ったものも多くみられる。
名古屋では、1659年(万治2年)創業の餅文総本店が最も古い製造販売店とされる。尾張藩第2代藩主の徳川光友に仕えた陳元贇からういろうの製法が伝えられたとの伝承がある。尾張藩主に献上し、賞揚されたことを由来に持つ「献上外良」などを製造販売している。
青柳総本家が製造販売する「青柳ういろう」は、現在、日本一の生産販売量を誇り、砂糖(しろ)・黒砂糖(くろ)・抹茶・小豆(上がり)・さくらの他、様々な種類がある。青柳総本家は1879年(明治12年)の創業で、その数年後から、ういろうの製造販売を開始した。1931年(昭和6年)に名古屋駅の構内とプラットホームでういろうの立ち売りを始めた。1964年(昭和39年)に東海道新幹線が開通した後は、青柳ういろうだけが全列車内での車内販売を許されたことから、名古屋ういろうが全国的に知られるようになった。
大須ういろは1949年(昭和24年)の創業で、ういろうを「ういろ」の名称で製造販売を行っている他、ういろうにこし餡を加えた「ないろ(内良)」や異なる種類のういろうを3層に重ねた「味(み)いろ」などの製造販売を行っている。
またういろうに似たものとしては「初かつを」がある。米粉と小麦粉に本葛も加えてある。美濃忠のものが有名。半田市の生せんべいも固いういろうのような食感をしている。